Pickup(相続関係)その4

    
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特別の寄与制度について

 
 
1.特別の寄与制度について(2019年7月1日施行)
 

■条文■民法 第1050条
第1項 被相続人に対して無償療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第891条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる
 第2項 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6箇月を経過したとき、又は相続開始の時から1年を経過したときは、この限りではない
第3項 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める
第4項 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
第5項 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第900条から第902条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。

■特別の寄与制度とは?■
法改正前は、例えば相続人の配偶者の方は、親族でありながら相続人にはなれない為、どれだけ被相続人の療養看護や介護を行ったとしても、相続財産を受け取ることができませんでした。
改正相続法により、療養看護等に尽くした(相続人ではない)親族も特別寄与料という形で、金銭の支払い請求をすることができる制度ができました。
 
 ■特別寄与者の要件■
被相続人に対して、①「無償」で②「療養看護その他の労務を提供」し、これにより被相続人の③「財産の維持又は増加」について特別の寄与をした④「親族」が特別寄与者となります。
 
「特別の寄与」には、上記①②③の要件をクリアしなければなりませんが、貢献の程度が一定の程度を超えることを要求する趣旨であると解釈されます。
 
②③の部分は2つのケースにわかれますが、いずれも①「無償」(またはこれに近い状態)の場合となります。
A(家業従事):被相続人の事業に従事し、相続財産の維持または増加に寄与した者
B(療養看護):被相続人の療養看護を行った結果、看護費用の支出をしなくてよくなったという意味での相続財産の維持に貢献した者
 よって、A、Bの場合でも報酬をもらっていたような場合は特別の寄与とは判断されず、ただ単に、「自分だけが親の面倒をみた」という主張をするのではなく、客観的な証拠に基づいて、貢献の程度が一定程度を超えるといえることが求められます。
 
 ④「親族」とは、
六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族を民法上「親族」といいます。
民法 第1050条では、特別寄与者と言えるためには、この「親族」から以下の方を除きます。
・相続人
・相続の放棄をした者(自らの意思により相続人ではなくなった)
・相続人の欠格事由により、法律上当然に相続人たる資格を失った者(法律上相続人ではなくなった)
・廃除によって相続権を失った者(被相続人の意思により相続人ではなくなった)
 
 ■特別寄与料の請求方法■
特別寄与者が、相続開始後遺産分割協議において、相続人に対して、特別寄与料(金銭)の支払請求を行います。
 
この、遺産分割協議が調わない、協議をすることができないときは、家庭裁判所に処分の請求をおこなうこともできます。
その場合は、家庭裁判所が、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定めることになります。

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